清水事務所 福島直也
2024年4月20日
相続登記の義務化 判例紹介 儚さゆえの美しさ
ご挨拶
漫画家の鳥山明さんが、3月1日にお亡くなりになりました。鳥山明さんは、「DRAGONBALL」や「Dr.スランプ」など、たくさんのヒット作品を世に出されました。
私が小学校のときに、「DRAGON BALL」のテレビ放映が始まり、毎週楽しみに見ていました。お小遣いをもらい始めてからは、「DRAGON BALL」が連載されている週刊少年ジャンプを毎回買って読んでいました。小学校のときの友人は、ほとんどの人が「DRAGON BALL」を読んでいたので、いつも「DRAGON BALL」が話題に出て、主人公のまねごとをしていたのを懐かしく思います。
「DRAGON BALL」は、ここ数年で立て続けに新作が発表されており、2021年度の「DRAGON BALL」シリーズの売上高は、1200億円ということです。「ワンピース」が同年の売上高が441億円ということで、「ワンピース」の3倍もの売上高を上げています。連載開始から40年たって未だに人気が衰えないということはすごいことだと思います。
多くの世代に受け入れられる魅力があるのだと思います。
私の子供が、ちょうど私が「DRAGON BALL」を見始めた頃の歳になってきました。
私が鳥山明さんのお亡くなりになったニュースを見た際に、子供に「DRAGON BALL」の話をしてみると、なぜか、主人公の必殺技であるかめはめ波を知っていました。ユーチューブで知ったということでしたが、親子で「DRAGON BALL」の話ができるとは驚きました。子供が興味がありそうだったので、今度、私が持っている「DRAGON BALL」の漫画を全巻あげて、「DRAGON BALL」談義をしたいなと思うとともに、今の子供たちにも影響を与える作品を創られた鳥山明さんの偉大さを再度思い知りました。鳥山明さんのご冥福をお祈りいたしますとともに、素晴らしい作品を創っていただきありがとうございました。感謝致します。
それでは、今月の法エールよろしくお願い致します。
(代表社員井上勉)
相続登記の義務化
本年4月1日から、不動産登記法が改正され、相続登記が義務化になりました。
最近、お問い合わせも多くなっておりますので、今回は、相続登記の義務化について、ご説明いたします。
1.法律改正の背景
日本には、所有者不明土地と呼ばれる土地が、国土の24%存在します。所有者不明土地とは、不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地(相続登記未了のものを含みます)や、所有者が判明してもその所在が不明で連絡がつかない土地のことをいいます。そして、その国土の24%の所有者不明土地のうち、相続登記未了のものが3分の2あります。これらの土地については、所有者の探索に多大な時間と費用が必要となり、公共事業や復旧・復興事業が円滑に進まず、民間取引や土地の利活用の阻害原因となったり、土地が管理されず、放置され、隣接する土地への悪影響が発生したりするなど、様々な問題が生じていました。
全国のうち所有者不明土地が占める割合は九州本土の大きさに匹敵するともいわれており、今後、高齢化の進展による死亡者数の増加等により、ますます深刻化する恐れがあり、その解決は喫緊の課題となっています。
そこで、所有者不明土地の発生原因の約3分の2を占める相続登記の未了に対応するため、相続登記の申請が義務化されることとなりました。
2.相続登記の申請義務とは
相続により不動産の所有権を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務付けられました(不動産登記法第76条の2第1項)。
また、正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、10万円以下の過料の適用対象となることとされました(同法第164条第1項)。
この相続登記の申請義務化の施行日は令和6年4月1日ですが、施行日より前に開始した相続によって不動産を取得した場合であっても、相続登記をしていない場合には、相続登記の申請義務化の対象となり、令和9年3月31日まで(不動産を相続で取得したことを知った日が令和6年4月以降の場合は、その日から3年以内)に相続登記をしていただく必要があります(民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)附則第5条第6項)。
今回は、相続登記義務化の概要についてご説明しました。
次回は、相続登記申請義務の内容と相続人申告登記についてご説明いたします。
判例紹介
相続分指定により相続分がないものとされた相続人が遺留分侵害額請求をした場合における特別寄与料の負担について
(令和5年10月25日最高裁判所第一小法廷決定)
【事案の概要】
被相続人Aは、令和2年6月に死亡した。Aの相続人は、XとYである。
Aは、生前、Aの有する財産全部をXに相続させる旨の遺言をしていた。
本件遺言は、Xの相続分を全部と指定し、Yの相続分をないものと指定する趣旨を含むものであった。
Yは、令和3年3月、Xに対し、遺留分侵害額請求権を行使する旨の意思表示をした。
Xの妻Bは、Yに対して、民法1050条に基づき、特別寄与料のうちYが負担すべき額として相当額の支払を求めるため、家庭裁判所に対し、特別寄与料に関する処分を申立てた。原審は、相続人が数人ある場合には、各相続人は、特別寄与料について、相続分に応じた額を負担するから、遺言により相続分がないものと指定された相続人は特別寄与料を負担せず、当該相続人が遺留分侵害額請求権を行使したとしても左右されないと判断して、本件申立てを却下すべきものとした。
これに対し、Bは、遺言により相続分がないものと指定された相続人であっても、遺留分侵害額請求権を行使した場合には、特別寄与料について遺留分に応じた額を負担するのが相当であるから、原審の判断には法令の解釈適用を誤った違法があるとして抗告した。
【裁判所の決定要旨】棄却
民法1050条5項は、相続人が数人ある場合における各相続人の特別寄与料の負担割合について、相続人間の公平に配慮しつつ、特別寄与料をめぐる紛争の複雑化、長期化を防止する観点から、相続人の構成、遺言の有無及びその内容により定まる明確な基準である法定相続分等(民法900条から902条までの規定により算定した相続分)によることとしたものと解される。このような趣旨に照らせば、遺留分侵害額請求権の行使という同項が規定しない事情によって、上記負担割合が法定相続分等から修正されるものではないというべきであり、遺言により相続分がないものと指定された相続人は、遺留分侵害額請求権を行使したとしても、特別寄与料を負担しないと解するのが相当である。
民法1050条
1 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭の支払を請求することができる。
2~4 省略
5 相続人が数人ある場合には、各相続人は、特別寄与料の額に第九百条から第九百二条までの規定により算定した当該相続人の相続分を乗じた額を負担する。
【コメント】
遺言書によって指定相続分がないとされたものの、遺留分侵害額請求権を行使して財産の給付を受けた相続人の一人が、特別寄与料を負担するかどうかが最大の焦点となりました。
今回の最高裁判所の決定において、特別寄与料の算定基準は、法定相続分等に従って負担するとしました。
すなわち、民法1050条第5項の趣旨は、各相続人の具体的な相続分が確定しない限り特別寄与料が確定しないとなると、特別寄与料をめぐる紛争の複雑化、長期化が懸念されるため、明確な基準である法定相続分等に従って特別寄与料を算定するとしたものであると解されています。
今回の決定は、同条項の趣旨に沿って、遺言により相続分がないものとされた相続人が、遺留分侵害額請求権を行使したとしても、特別寄与料を負担しないとしたものです。
儚さゆえの美しさ
4月は、桜の季節ですね!熊本県の桜の名所は、いくつかあると思いますが、私の一押しは、サンリブシティくまなん近くの、通称「平成さくら通り」沿いの桜です。
仕事で平成さくら通りを車で走行する機会がありましたが、桜のトンネルを抜けていくような感覚があり、毎年、楽しみにしている場所です。
満開の桜を観賞できる期間は短く、儚い花だからこそ、人々は夢中になり、魅了されるのかもしれませんね。私の今年の花見は、走行時間5分という、短く、儚いものでした(笑)。
清水事務所 福島直也
__________________________________________________________________________________
~寄り添う支援で笑顔ふたたび~
当法人は、「NPO法人身近な犯罪被害者を支援する会」との連携を図っています。
ご質問、ご相談等ございましたら、当法人もしくは下記までご連絡ください。
TEL 096-341-8222
FAX 096-341-8333
命の絆・大切に、輝く命・永遠に
当法人は、「一般社団法人命の尊厳を考える会」との連携を図っています。
ご質問、ご相談等ございましたら、当法人もしくは下記までご連絡ください。
TEL 096-337-1251
FAX 096-337-3355
当法人では、継続的な相談にも対応できるよう、顧問契約の締結を行っています。
会社・個人問いません。詳しくはお近くの事務所までお気軽にお問い合わせください。
司法書士法人ヒューマン・サポート法律支援センター
龍田事務所
〒861-8006
熊本市北区龍田3丁目32番18号
TEL:096-327-9989 FAX:096-327-9799
清水事務所
〒861-8066
熊本市北区清水亀井町16番11号
TEL:096-346-3927 FAX:096-346-4044
薄場事務所
〒861-4131
熊本市南区薄場町46番地薄場合同ビル内
TEL:096-320-5132 FAX:096-357-5710
健軍事務所
〒861-2106
熊本市東区東野1丁目9番1号BOYビル3F
TEL:096-360-3366 FAX:096-360-3355
ホームページアドレスw w w . h s h s c 2 0 0 3 . j p /