法エールVol.153

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ご挨拶

先日、ある雑誌で「日本語」について書かれてありました。そこには、現代日本の国語力の劣化が述べられていました。次の文章を読んでどのように思われるでしょうか。「全ての色が集まることで生まれる黒はダイバーシティを、全てを包み込む大きな円は一つになったインクルーシブな世界を。そしてその原動力となる一人一人の赤いハートの鼓動。オリンピック・パラリンピックのエンブレムは同じ理念で構成されています。・・・」。これはオリンピック・パラリンピックのエンブレムの発表会においてアナウンサーが説明したものの一部だそうです(ただ、このエンブレムは選ばれておりませんのであしからず。)。日本語と英語を併用していますが、私は英語が苦手なので、よく意味がわかりませんでした。ダイバーシティは多様性、インクルーシブは包括的という意味です。テレビ中継で流されたものなので、チェックされた内容を話していると思われますが、わかりやすい日本語で話してほしいと感じました。

そういう私も、わかりやすく日本語で説明するのはあまり自信がありません。というのも、私事ですが、来月子供が産まれる予定で、その子供の名前をなかなか決めきれません。将来、その子供に名前の由来を説明したいと思っているのですが、これを分かりやすく説明できる自信がないからです。そう思っていましたら、先般、知り合いの紹介で姓名判断をされる方と話す機会があり、その方に名前をいくつか考えていただきました。その中には、私の知らない漢字がたくさん入っていて、その意味もわからない名前ばかりでした。しかし、その方に一つひとつ説明していただくと、その方の考えた名前は、見た感じも綺麗で、洗練されていただけでなく、非常に分かり易く、なるほどと納得できました。これから、子供の名前を決めることになりますが、自分の日本語の語彙力のなさを痛感しただけではなく、自分の子供の名前でさえ、その由来を日本語で分かりやすく説明することができないのかと思うと少し情けなくも感じました。子どもへの命名を契機に、少しでも、日本語で分かり易く説明することに自信が持てるようにしていきたいと思います。

また、エミール・シオランという方が、「私たちはある国に住むのではない。ある国語に住むのだ。祖国とは国語である。」と述べています。日本語を大切にしないということは日本を大切にしないということだという意味ではないかと思いますが、古典等を通して日本語を再度学ぶ必要があると感じる今日この頃です。

 

それでは、今月の法エールよろしくお願い致します。

(代表社員 井上 勉)

 

社会福祉法人の登記について

本年7月号より3回に渡り各種法人の登記手続きについて説明しています。
今月は、社会福祉法人の登記手続きについて説明します。

 

社会福祉法人は、設立の登記手続きの前に、所轄庁の認可が必要です。この所轄庁は、原則として法人の主たる事務所が所在する都道府県とされており、法人が行う事業が、法人の主たる事務所の所在する市の区域を越えない場合は、当該市となります。認可が下り、認可証の交付を受けることで、医療法人の設立の登記をすることができるようになります。法務局への設立登記申請の際には、その認可証を添付することにより、設立登記が完了します。

次に、設立後に必要となる、社会福祉法人を運営していく上での登記手続きについて説明します。

初めに、定期的に行っていく必要のある登記手続きとして、資産の総額の変更登記について説明します。社会福祉法人は、純資産額が登記事項となっています(登記事項証明書に記載されているということです)。そこで、毎年の決算で純資産額が増減した場合にはその変更の登記手続きが必要になります。なお、純資産額が増減しなかった場合は、登記手続きの必要はありません。通常は毎年変わるものと思われますので、事実上、毎年登記手続きを行うことになります。手続きの時期としては、毎年の決算の承認を得られた後に遅滞なくということになります。

次に、2年ごとの理事長の再任登記について説明します。社会福祉法上、社会福祉法人の役員の任期は2年となっています。そこで、2年ごとに役員に変更がなかったとしても、理事長の再任(登記事項証明書では重任と登記されます。)の登記手続きをすることになります。この手続きの時期は、登記事項証明書に理事長の就任日が記載されていますので、そこから2年後ということになります。

上記の登記手続きについては、忘れず定期的に行っていかなければなりません。もちろん理事長を別の方に交代するときも登記手続きをする必要があります。

上記2つ以外では、それぞれ登記事項に記載のある内容を変更したときに、登記手続きが必要になります。例えば、法人の名称を変更したとき、事業や施設を追加変更などしたとき、または、法人の主たる事務所(所在地)を変更したときなどが挙げられます。これらの手続きは、一部を除き、所轄庁の認可が必要となりますので、ご注意ください。

なお、登記事項証明書に記載のない事項、例えば評議員や(平)理事や監事、決算時期などを変更する場合は、所轄庁への事前の認可申請や、変更後の報告が必要な場合があります。したがって、社会福祉法人の定款や組織を変更したり、評議員や理事等役員を変更する場合は、事前に所轄庁にご相談されることをお勧めいたします。

 

これら認可申請手続き等については、当法人の連携行政書士法人においてお手伝いが可能です。もし、登記手続きや認可申請手続等の相談がありましたら、当法人へご一報ください。

 

判例紹介

夫婦別姓を認めない民法と戸籍法が憲法に違反するか

最高裁判所 令和03年06月23日 大法廷決定

事案の概要

本件は、婚姻届に「夫は夫の氏、妻は妻の氏を称する」旨を記載して婚姻の届出をしたところ、国分寺市長からこれを不受理とする処分(以下、「本件処分」という。)を受けたため、本件処分が不当であるとして、戸籍法12条2項に基づき、同市長に上記届出の受理を命ずることを申し立てた事案である。(本件処分を不服として本件婚姻届の受理を命ずる審判を求める申立てに対して原々審で却下審判され、原審で即時抗告棄却決定がされ、これに対して特別抗告がなされた事案。)本件処分は、上記届出が、夫婦が婚姻の際に定めることろに従い夫又は妻の氏を称するとする民法750条の規定及び婚姻をしようとする者が婚姻届けに記載しなければならない事項として夫婦が称する氏を掲げる戸籍法74条1号の規定に違反することを理由とするものであった。

裁判所の判断

民法750条が憲法24条に違反するものでないことは、当裁判所の判例(最大判平27年12月16日)とするところであり、民法750条を受けて定められた戸籍法74条1号もまた憲法24条に違反するものでないことは、平成27年大法廷判決の趣旨に徴して明らかであり、大法廷判決以降の諸事情の変化を踏まえても、大法廷判決の判断を変更すべきものとは認められず、立法政策と憲法適合性審査の問題は次元を異にしており、夫婦の氏の制度の在り方は、国会で論せられ、判断されるべき事柄にほかならないとする、として、抗告を棄却した。

 

(憲法)
第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
② 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

(民法)

(夫婦の氏)
第750条 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。

(戸籍法)
第74条 婚姻をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。一夫婦が称する氏

(以下、省略)

コメント

近年、マスコミにおいても選択的夫婦別姓の話題がなされることが多くなってきました。この決定の中で、氏名がアイデンティティの象徴となり人格の一部になっているとして、尊重されるべきものとして、決定とは反対意見を述べる裁判官もいました。

決定でも示されているように、夫婦の氏の在り方は国会で論ぜられ判断される事柄とされています。今年は衆議院議員選挙も予定されおり、夫婦の氏をめぐる問題も選挙の争点となりそうです。

コラム

~父との思い出~

先日、映画「マトリックス」の続編があると知りました。12月に公開されるそうで、今から楽しみです。第一作はビデオ(VHS)で見て、映像と設定の斬新さに、よくこんなこと考えるよな~と感心した覚えがあります。二作目、三作目はもちろん映画館に見に行きました。

若い頃は、気になる映画があればすぐに映画館へ足を運んだものですが、だんだんとその頻度が少なくなり、そのうち途絶え、もう10年以上映画館で映画を見ていません。たまに子供を映画に連れていくことはあるのですが、私は外で待ってるだけ。今回は子供を誘って、初めて一緒に映画を見ようと思っています。

私が父と初めて一緒に見た映画は、クリント・イーストウッドとバート・レイノルズの「シティヒート」でした。内容は全く覚えていませんが、その日の楽しかった記憶は断片的に残っています。何十年かのちに、私と映画に行った記憶が子供に残ってくれたら嬉しいなぁ・・・と想像ばかりが先走っていますが、その前に子供に断られたらどうしよう・・・。

龍田事務所 山田 祐喜

 

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