法エールVol.32

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ご挨拶

先日、二泊三日(金~日)で中学校2年生の娘と「親子セミナー」に参加してきました。

娘には、少しでも自立した人間になって欲しいという思いから参加したものです。

まず、講師が言われたのが、受講料を支払って、子供の夏休みに親が仕事を休んで共に勉強をすること自体、通常はありえない、奇跡のような出来事だということでした。他人様の親子関係よりは、少しはましなのかなと思っていながら、講師の次の話を聞きました。その話は、成功する3つのポイントというものでした。①自分の存在価値を認めること、②人間関係をより良くすること、③夢や希望を持ち続けることである、と伝えられました。親にも勉強になる話だなと感心していると、さらに、子どもの自主性を尊重し、子どものあるがままの姿を受容
することや子どもを信じる力を親が養うこと、過干渉・過保護になるのではなく、共に学ぼうとする姿勢が親子の絆を生むことになるということ、また、私たちのパーソナリティの成り立ち等についても勉強しました。そして、最終日には、子どもたちも学校や塾で精いっぱい頑張っているので、家の中ではリラックスできる環境と子どもたちの居場所をつくってあげることが大切であると伝えられました。子どもに学んでほしいと思って参加しましたが、結局私が勉強させられたような少し複雑な感じになりました。「信は力なり!」講師から頂いた子育ての極意です。これからも子どもとともに成長したいと思いました(笑)。

それでは、今月号も宜しくお願いします。

(代表社員 大島 隆広)

任意後見契約等の活用

前回は、将来自分が認知症等になった場合など、将来の不安に備えるための「任意後見契約」の利用について紹介しました。今回は、この「任意後見契約」に関連した「任意代理契約」について事例をとおして紹介します。

花子さん(70歳)は、3年前に夫がなくなり、子供もいません。今はしっかりしており、自宅で一人で生活していますが、将来自分が認知症になったり、自分で判断することができなくなった時にはどうしたらいいのか不安を抱えて生活しています。花子さんは将来のさまざまな手続きについて、以前からお世話になっている司法書士にお願いしたいと考えています。

ここまでが前回の事例でした。それでは、これに、

花子さんは、現在、足の調子が悪く、外出することを負担に感じているので、今のうちから銀行の手続きや介護サービス契約などを代わりに行ってほしいと考えています。

といった事情があったとします。

 

このような場合、「任意後見契約」では対応できません。なぜなら、「任意後見契約」はあくまでも花子さんが認知症等により自分で判断することが難しくなった際に契約の効力が発生するものですので、自分で物事を判断できる状態であるときには利用することができません。

このような時に、「任意後見契約」と一緒に(あるいは事後的に)「任意代理契約」を締結しておくことができます。

この「任意代理契約」とは、花子さんが司法書士に対して、代わりに(代理して)行ってもらいたい法律行為(預貯金の管理、不動産の管理・売却等、介護サービス契約の締結等)を花子さんと司法書士の契約で決めておくものです。契約で決めた内容について、司法書士は花子さんの代理人となり、契約を結んだり、銀行の手続きを行ったりします。なお、この時点では花子さんはまだしっかりしており、花子さんに関する司法書士の職務をチェックすることができますので、もし司法書士が契約で決めた内容に反した行動をした場合には、花子さんが注意をして改めてもらうか、場合によっては契約を解消(委任契約の解除)することも考えられます。

 

この「任意代理契約」と「任意後見契約」は通常、同じ当事者で契約が締結されます。したがって、司法書士としては、花子さんが意思能力が低下した状態になってきたとき、家庭裁判所に対して「任意後見監督人」の選任申立てをすることによって、任意後見契約の効力を発生させることになります。
(なお、任意後見監督人の選任申立ては本人・配偶者・4親等内の親族も行うことができます。)

 

ちなみに、司法書士が代理人として具体的な活動までは行わないけれども、任意後見契約を締結した花子さんとときどき連絡を取り合いながら、適正な時期に任意後見監督人の選任申立てのタイミングを計る、いわゆる「みまもり契約」といったものを契約しておくこともできます。具体的には、2ヶ月に1回訪問する、月1回電話をする、というように、花子さんの健康状態等に変化がないかを見守っていくことになります。このような支援を行いながら、花子さんが意思能力が低下した状態になったら、上記のとおり「任意後見監督人」を選任する申立てを行います。

このように、任意後見契約を締結してから、実際に契約の効力が発生するまで、切れ目のない支援を行うことができるのです。

次回も任意後見契約に関連した他の契約について紹介します。

判例紹介

登記官の過失と固定資産税の過剰納付

新潟地方裁判所 平成23年1月19日 第2民事部判決
(平成21年(ワ)第1140号 損害賠償請求事件)

<事件の概要>

原告:X(土地の所有者)
被告:Y(法務局の登記官=国)

X所有の土地について、Yの過誤により、本来の地積の10倍の地積で登記がされた。そのため、固定資産課税台帳上の課税標準額に基づく課税額が、実際よりも過大な金額にされてしまい、その結果、Xは多年にわたり固定資産税を過大に納付してきた。そこで、Xは、過剰納
付した固定資産税、遅延損害金及び弁護士費用等を国家賠償法1条1項に基づきYに請求した。

これに対し、Yは、「担当登記官に過誤はあったが、固定資産税に対する課税事務を担当する市職員の過失が重大であるため、担当登記官の過失と本件過剰納付との間には相当因果関係はない」などと反論した。

 

<裁判所の見解>

固定資産の過剰納付について、担当登記官の過失だけでなく、固定資産税を賦課した市の担当職員にも過失が認められる場合において、土地の地積の移記を誤ったという登記官の過失は、不動産登記の専門家としての基本的な注意義務に違反する過失であって重大というほかないため、市職員の過失は登記官の過失と固定資産税の過剰納付との間の相当因果関係を切断するものとは認められず、国は土地所有者に対し、過剰に納付した固定資産税分の損害賠償責任を負う。

 

<解説>

今回のようなことはもちろんあってはならないことですが、各自が自分の財産は自分で管理することも大事なのだと感じました(地積や床面積などはなかなか把握しているものではありませんが・・・)。

不動産をお持ちの方は、毎年送られてくる固定資産税納税通知書の内容と、保管されている権利証や建築確認書等の書類とを確認されてみることも必要かもしれませんね。

 

<参照>

国家賠償法
第1条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

2 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

司法書士日記

~当法人の司法書士が、趣味の話や最近の出来事など、ざっくばらんに書いていきます~

英国のシンクタンク新経済財団が調査した、「世界一幸せな国」の1位はコスタリカだそうです。コスタリカは、中米の花園と呼ばれ、自然豊かな国で、環境先進国です。

コスタリカで幸せ度数を上げた要因としては、女性のための社会保障制度が充実していることが挙げられます。コスタリカの離婚率は、50%近いらしいのですが、シングルマザーになっても、雇用の安定や保障制度がきちんとあるため、生活できるとのことです。また、軍備に税金を使わず、教育に使っていることも特徴的です。

ちなみに日本は75位。う~んと唸ってしまいます。何が足りないのでしょうか。幸せってなんだろうと、改めて考えてしまいました。

(薄場事務所 司法書士 井上 勉)

コラム

~踊る大捜査線~

先日ケーブルテレビで1日を通して「踊る大捜査線」シリーズを放送してました。大好きなドラマ・映画の1つでもあるこのシリーズ。朝から晩まで見ておりました(*^^)v

青島刑事役の(今は係長になりましたが)織田裕二が好き♥ ってのもありますが、警察内部の様子がコミカルに、そしてわかりやすく表現されているところと、警察内部を会社組織に置き換えて、署内の権力争いや警視庁と所轄署の関係を取り入れているところも魅かれています。

名台詞「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!!」
シビレます!!

また「踊る大捜査線」は各場面においても「リーダーとは?」と問いかけているところもあるようです。私が感じたのは、「個人個人を尊重し、リーダーが優秀であればその組織は活性化する。皆がリーダー。」です。私自身「踊る大捜査線」は普段日常生活においても参考にしています。

(健軍事務所 中村 享子)

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