ペットをめぐる近隣トラブル

横浜地方裁判所 昭和61年2月18日 判決

(概要)

隣家(Aさん夫婦)の飼犬が、深夜・早朝と連日鳴き声をあげたため、Bさん夫婦が不眠・神経衰弱になり隣家の飼主に対し損害賠償を請求した。

(判決)

「犬は、本来、吠える動物であるが、無駄吠えを抑止するためには、飼主が愛情をもつて、できる限り犬と接する時間をもち、決つた時間に食事を与え、定刻に運動をする習慣をつけるなど規則正しい生活の中でしつけをし、場合によつては、専門家に訓練を依頼するなどの飼育が肝要であること」と述べたうえで、以下の事実を認定し、Bさん夫婦に損害賠償(30万円)を認めた。

  • 7~8メートルの針金製係留ロープが張ってあり、適宜シェパードをこれにつないでいたが、Aさん夫婦の飼い犬がAさん夫妻と一緒に運動させられることは殆どなかったこと
  • Aさん夫婦はシェパード及びマルチーズをそれぞれ1~2匹飼っていたところ、ジョニーと呼ばれたシェパードは特によく鳴く犬で、Aさん夫婦が留守の時には一晩中でも吠え続けてBさん夫婦を悩まし、マルチーズもまた、甲高い声で鳴き続け、その程度は極めて異常と言わざるをえないものであり、Bさん夫婦は精神衰弱状態となり、妻は失神することもあったほどであったこと

(解説)

ペットをめぐる近隣トラブルは非常にデリケートな問題です。近年のペットブームで犬や猫、その他の動物を家族の一員として接することも珍しいことではありません。しかし、特に犬は鳴き声で周辺に迷惑をかけることもあり、判決の中で述べられているとおり、しつけが重要になってきますね。

今回の損害賠償額は30万円と、ペットをめぐる紛争は少額であることが多く、できるだけ話し合いによる解決を図っていくことができるといいですね。