パチンコ攻略情報の売買契約の取り消し

(東京地方裁判所平成17年11月8日判決)

 

(事実の概要)

Bは、雑誌において「1本の電話がきっかけで勝ち組100%確定」、「情報料無料で完全伝授」などの記載のある本件広告を掲載し、Aさんは、本件雑誌を購入して本件広告を見た結果、これを信頼した。

Aさんは、本件広告に掲載されていたBに電話をかけ問い合わせたところ、「だれにでもできる簡単な手順、70歳のおばあちゃんでもできるほど簡単なもの」「毎回3000円から5000円の投資金で大当たりが引ける。」「100%絶対に勝てるし、稼げる。月収100万円以上も夢ではない。目指せ年収1000万円プレーヤー」「お店1店につき滞在時間は約2時間で、平均5万円から8万円勝てる。」「パチンコ攻略情報代金は数日あれば金額回収できる。」などと勧誘した。パチンコを打ちに行くときに電話をくれれば、手順と行くべきお店、パチンコ台の機種及び台の番号は口頭で伝えるなどと答えた。Aさんは、Bの提供する情報に従ってパチンコをすれば常に稼ぐことができると誤信した。

Aさんは、Bとの間で契約を締結し、40万9,500円を振り込んだ。

しかし、Aさんが実際にBから提供を受けた情報は、難易度の高い特殊な技術を必要とするもので、かつ、パチンコ台の釘の状態に大きく左右されるものであり、複数店において何度も試みたが成功せず、多くの金銭をパチンコに費消した。

Aさんが「もっと簡単な手段はないのか。」と問いかけたところ、従業員は、「パチンコ攻略売買契約の契約期間が長いほど、提供する攻略情報は、手順が簡単かつ効果が高く、手早く、1回当たりでも大きく稼げる。」などと述べて、Aさんは、新たな情報を購入すればパチンコで確実に稼ぐことができると誤信し、追加の金額を振り込んだ。

しかし、Aさんは何度も試みたが成功せず、多くの金銭をパチンコに費消した。

AさんはBに対し、支払った代金合計額67万2,000円の返還を求めた。

 

(判決)

一般的に、パチンコは、各個別のパチンコ台の釘の配置や角度、遊技者の玉の打ち方や遊戯する時間、パチンコ台に組み込まれ電磁的に管理されている回転式の図柄の組み合わせなどの複合的な要因により、出球の数が様々に変動する遊技機であり、遊技者がどれくらいの出球を獲得するかは、前期のような複合的な要因による偶然性の高いものである。

したがって、本件契約において、BがAさんに提供すると約した情報は、将来における変動が不確実な事項に関するものといえる。

本件広告における表現及びBのAさんに対する前記の勧誘は、本来予測することができないBがパチンコで獲得する出球の数について断定的判断を提供するものといえる。

したがって、消費者契約法4条1項2号所定の「断定的判断の提供」に該当するとして、売買契約の取り消しを認めた。

 

(コメント)

この判決でも述べているように、パチンコは色々な要因により出球の数に変動が出てきます。したがって、ほどほどに楽しむことが大事ですね・・・。

 

消費者契約法

第4条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認