Monthly Archives: 6月 2018

医療法の改正に伴う任期満了後の理事の権利義務承継規定の新設

平成28年9月1日施行の改正医療法46条の5の3は、役員の員数が欠けた場合の権利義務承継規定を新設し、次のように規定しました。 「この法律又は定款若しくは寄付行為で定めた役員の員数がかけた場合には、任期の満了又は辞任によ … 続きをみる

特別受益者の死亡による相続分なきことの証明書について

特別受益者の死亡後に作成する、同人に相続分なきことの証明書には、相続人全員の証明を必要としますが、相続人中に既に死亡し、かつその者に相続人がいない場合は、残りの相続人全員の証明書で足ります(登記研究473号149頁)。 … 続きをみる

自筆証書遺言書の破棄

最判平成27年11月20日は、遺言者が自筆証書遺言である遺言書の文面全体に故意に斜線を引く行為が民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当するとして遺言を撤回したものとみなすとしました。 上記判決は、遺 … 続きをみる

死後事務委任契約の有効性

死後事務委任契約とは、委任者が第三者に対し、自分が亡くなった後の諸手続、葬儀、納骨、埋葬に関する事務等についての代理権を付与する契約をいいます。 委任契約は、委任者の死亡によって終了するのですが、最高裁判決(最三小判平成 … 続きをみる

野鳩の餌付け

(東京地方裁判所 平成7年11月21日判決)   <事件の概要> 区分所有者から使用賃貸していた専有部分に居住していたAが、平成元年~平成2年頃からベランダの手摺りに餌箱を取り付け、居室の窓を開放するなどして、 … 続きをみる

コンタクトレンズ説明義務違反事件

(大阪地裁堺支部平成14年7月10日判決)   <事件の概要> 患者Kさん(当時22歳の女性)は、コンタクトレンズの購入のためA社経営のコンタクトレンズ販売店(以下、A店という)を訪れ、同店の指示で、同社が業務 … 続きをみる

セクハラ・パワハラ

(京都地方裁判所平成18年4月27日(平成17年(ワ)第761号))   <事件の概要> 女子社員Aの主張によると、会社の上司Bは、平成16年5月ごろより、勤務時間中、Aに「おはよう」、「調子どうや」などと言い … 続きをみる

預金債権の相続と債権者 不確知供託の可否について

甲銀行にA名義の普通預金があり、Aは死亡し、法定相続人BからBの法定相続分に応じての払戻し請求がありました。その一方で、Cは、Aから遺産のすべてをCに遺贈するという遺言書を所持しており、甲銀行に全額の払戻しの請求を受けま … 続きをみる

賃貸借契約における通常損耗の原状回復

平成17年12月16日/最高裁判所第二小法廷/判決 平成16年(受)第1573号   (事実の概要) Xは、Yから住宅を賃貸していたが、その契約を解除して住宅を明け渡した。YはXが差し入れていた敷金のうち、金3 … 続きをみる

敷金返還請求権の発生時期について

最高裁判所昭和49年9月2日判決(昭和48年(オ)第30号家屋明渡請求事件)   <事実の概要> Y(被告、被控訴人、上告人)とAとの間でA所有の本件建物(なお、Bを抵当権者とする根抵当権を設定され … 続きをみる

兼職

東京地裁昭和57年11月19日決定 (昭和57年(ヨ)第2267号地位保全仮処分申請事件)   <事実の概要> Xは、Y会社に雇用され勤務していた。一方で、XはY会社に勤務(午前8時45分から午後5時15分まで … 続きをみる

生活保護の受給を継続するための方便としてなされた離婚届の効力

最高裁昭和57年3月26日第二小法廷判決 (昭和56年(オ)第1197号:離婚無効確認請求事件) <事実の概要> X(妻)と亡A(夫)は婚姻関係にあったが、Aが病気で倒れ収入の道が絶たれた。そのため、生活保護 … 続きをみる

入学後の私立学校における授業内容等の変更と損害賠償について

  (最高裁判所平成21年12月10日判決)     <事件の概要> 中高一貫の私立学校が、生徒募集の際に、学校案内等により論語に依拠した道徳教育を実施すると説明、宣伝し、その「 … 続きをみる

自筆証書遺言の方式 ― 押印

最高裁平成6年6月24日第二小法廷判決 (平成6年(オ)第83号:遺言無効確認請求判決に対する上告申立事件)   〈事実の概要> X(原告・控訴人・上告人)は亡Aの後妻であり,Y1ら5名(被告・被控訴人・ … 続きをみる

賃貸借契約について②

今回は、前回ご紹介しました敷金が、賃借人の負担する原状回復義務との関係でどのような意味を持つのかについて、具体例を通してその取り扱いをご紹介します。   1 敷金から差引かれる原状回復義務のための費用とは、借り … 続きをみる

賃貸借契約について

今回からは、建物の賃貸借契約にまつわる法律や権利関係について説明いたします。   建物の賃貸借契約は、契約自由の原則により、民法、借地借家法等の法律を踏まえたうえで、賃貸人および賃借人との間で、原則としてその内 … 続きをみる

事業承継 ③

今回は事業承継の3回目です。事業承継では、自社株をどのように分けるかがとても重要になりますので、その際の注意点を、前回からの続きでご説明します。 遺言書 遺言書の作成は、経営者の意思を伝える有効な方法の一つです。遺言書で … 続きをみる

子の命名権 ~悪魔ちゃん事件~

東京家裁八王子支部 平成6年1月31日 審判 事案の概要   X(申立人:父)は、平成5年8月2日、A市役所に対し、「悪魔」という名が受理されるかどうか問い合わせたところ、受理されるとの回答を得て、同月11日に … 続きをみる

法エールVol.113

ご挨拶 今年も、ゴールデンウィークも終わりましたが、皆さんいかがお過ごしでしたでしょうか。 さて、震災から2年が経ちますが、報道によりますと、仮設住宅で過ごされている方が、3万人を超えており、まだまだ震災の傷跡は癒された … 続きをみる