「相続させる」旨の遺言により相続財産全部を取得した者のみが遺産分割の協議に参加した場合における相続による所有権の移転の登記について

(質疑応答7983 登記研究830 175ページ参照)

 

 

〔要旨〕甲の相続人である乙と、甲のもう一人の相続人である丙から「相続させる」旨の遺言により相続財産全部を取得したAのみが遺産分割の協議に参加した遺産分割協議書等において、丙の他の相続人から遺留分減殺請求権の行使を受けていないことが判明すれば、登記を実行することができる。

 

甲が死亡し、その相続人が乙と丙です。その後丙が死亡し、丙の相続人がAとBです。丙は、すべての財産をAに相続させる遺言書を書いていました。その場合の登記原因証明情報は、その遺言書とBによる遺留分減殺請求権の行使がない旨の記載がある、乙とA名義の遺産分割協議書を添付して登記申請できます。

当然ですが、Bが遺留分減殺請求権を行使していた場合は、乙、A、Bが遺産分割競技をする必要があります。