尊厳死 宣言 公正証書

尊厳死とは、一般的に「回復の見込みのない末期状態の患者に対して、生命維持治療を差し控え又は中止し、人間としての尊厳を保たせつつ、死を迎えさせることをいう。」と解されています。現代の医学は、患者が生きている限り最後まで治療をするという考えを基本としています。しかし、単に延命を図る目的だけの治療が、患者の利益になっているのかという問題意識が出始め、患者の自己決定権を尊重するという考えが重視されるようになってきました。

医学界でも、尊厳死の考え方を積極的に容認するようになり、また過剰な末期治療は、親族等に多大な負担を強いるのではないかという懸念から、自らの考えで尊厳死宣言公正証書を作成する方が出始めました。

尊厳死宣言公正証書を作成していても、医療現場で必ずしもそれに従わなければならないということではありません。また過剰な延命治療に当たるかの判断は現場で行うので、その判断によっては、尊厳死が必ず実現するとは限りません。

しかし、現在の医療現場の大勢は尊厳死を容認しているということで、尊厳死を迎える状況になる前に、担当医師に公正証書を示して、説明する必要があります。親族に公正証書を託しておくといいのではないでしょうか。