法エールVol.59

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ご挨拶

創立160周年を迎えた高校が岡山県井原市にあります。興譲館高校という私立の高校で、先般、この記念式典に参加してきました。校名が変わらず160年永続している高校は、この興譲館だけでないかと言われていました。

この興譲館という名前は、「一家仁になれば、一国仁に興り、一家讓となれば、一国譲に興る」という四書の一つである「大学」の一節に由来するとされています。一家に仁の道が実践されれば、国全体も仁に満たされる。一家に謙譲(けんじょう、ゆずり合い)の徳が実現されれば、国全体にも謙譲の徳が盛んになる、という意味だそうです。

160年前というと、1853年、まだ江戸時代の嘉永6年の頃で、興譲館の初代校長が、日本の儒学者の1人として紹介されている阪谷朗盧(さかたにろうろ)先生であり、日本資本主義の父と言われる渋澤栄一氏や備中の聖人といわれた山田方谷、吉田松陰の弟子であった久坂玄端をはじめ多くの人物との往来があったと言われています。

そして、この学校の特徴は、知識学問だけでなく、人として生きる道を先人の教えから学び続けていることにあろうかと思います。

まず、高校に入学してからの1年生の必修科目として、論語があり、孔子の教えを通して、人として正しく生きること、また、人を気遣い、他者を尊重して生きることを学ばれています。利己的で自己中心的になりがちな現代において、論語は、時代を超えて大切なことを教えてくれているようです。

そして、2年、3年の必修科目に人間学があり、論語以外の、古典を通して、先人の生き方考え方を学ばれ、佐藤一斎、吉田松陰、山田方谷、福沢諭吉、新渡戸稲造等の日本の精神文化を築いてきた数々の教えから、人としての生き方あり方を考え、自己を見つめ、素直に、謙虚に、誠実に人生を歩もうとする態度を養い学ばれています。

そして、在校生徒代表として挨拶をされた女性の生徒会長さんが「不易流行」(松尾芭蕉の言葉) という言葉を説明されました。いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものをも取り入れていくことが大切であるということです。

これを私たちの会社に置き換えると、会社の考え方、進むべき方向性を示す、経営理念は変えてはいけないけれど、これを実現する戦略、戦術は、時代とともに変化させなければならないということになろうかと思います。

私たちの人生にも大きな苦労や困難を乗り越えていく必要がありますが、不易流行という言葉を心に刻みながら学校生活を送っている興譲館の生徒さんたちに頼もしさを感じました。私達も見習っていきたいと思います。

それでは、今月号もよろしくお願いします。

(代表社員 大島 隆広)

コラム

新・流行語大賞

毎年冬が訪れると、「今年の新・流行語大賞は何かな~」って、なぜかソワソワしてしまうのです。なぜなんでしょう・・・?自分でもよくわかりません(笑)。自分の中で今年1年を振り返るきっかけにして、おもしろく楽しい「ことば」だったら「今年1年楽しかった。」と、悲しい出来事があった年の「ことば」だったら「来年は良い年にしよう。」と締めているのかもしれません。

昨年は、スギちゃんの「ワイルドだろぉ」でしたね。私の周りでもよく聞きましたし、よく使いました(笑)。楽しい1年だったかと思います。

この賞は、主催しているユーキャンでは「1年の間に発生したさまざまな「ことば」のなかで、軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶとともに、その「ことば」に深くかかわった人物・団体を毎年顕彰するもの」として開催しているそうです。

今年もたくさんのおもしろく、元気づけてくれた、心に残る言葉がありましたね。「今でしょ!」「倍返しだ!」「じぇじぇじぇ」「お・も・て・な・し」・・・etc

今年はどんな「ことば」が受賞するのでしょうか!そして今年1年「どんな年だった」と象徴するのでしょうか。発表が楽しみです。できれば楽しい「ことば」を期待します(明るく締めたいからですね~。「終わりよければ全て良し」)。

健軍事務所 中村 享子

会社の組織再編について(2回目)

先月からは3回シリーズで、会社の組織再編に関する大まかな手続きの流れについてご紹介しています。先月は組織変更手続きの流れでした。そこで、今月は、二つ以上の会社が合体する吸収合併手続きをご紹介します。

この手続の中でも、先月ご紹介した組織変更の手続きと同様に、官報への公告掲載の手続きを経なければなりません。そのため、手続きにかかる期間にはご注意ください。また、知れたる債権者(金融機関・リース会社・買掛金のある取引先など)には個別に合併する旨及び合併に異議がないかをお尋ねする旨の通知をしなければなりません。この通知により、債権者から何かしらのお問い合わせがあることも多いです。できることならば、特に金融機関などは事前に合併することをご相談されておくことをお勧めします。

 

合併手続きの流れ

1.合併契約書の作成、合併契約の締結

 ↓ ※効力発生日、合併比率等の決定

2.株主総会で合併について承認決議

 ↓ ※債権者保護手続きと並行して合併の承認

3.債権者保護手続き(官報公告及び現存する債権者への個別の通知)

 ↓ ※公告及び通知から1カ月の異議申し出期間

4.合併契約で定めた効力発生日到来

 ↓ ※効力発生の後に登記申請

5.合併の登記申請

 ↓ ※登記申請から完了までの約1週間

6.登記手続き完了

   ※手続き開始から完了まで最短で約2カ月ほど

お知らせ

当法人では、継続的な相談にも対応できるよう、顧問契約の締結も行っています。

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