相続手続き①

大切な家族との別れはとても辛く悲しいことです。残された家族が亡き人と過ごした時間を思い出にこれからの人生を生きていこうと歩み始めます。

しかし・・・

「不動産は私のものだ。」
「あなたは生前からたくさん援助してもらっていた。」
「最期まで私が看取ったから財産は多くもらうわよ。」

と亡き家族の財産についてもめることになるとさぁ大変!
さっきまで悲しみを共有していた家族が一変して争いごとに。

そこで亡き家族が残した財産(相続財産)の分け方については、遺言書がある場合は遺言書に従い、遺言書が無い場合は法定相続人の協議によって分ける方法(遺産分割)や法律によって分ける方法(法定相続)があります。

今回はまず初めに「法定相続人」「相続財産の種類」について説明します。

法定相続人間の順位

【第1順位の相続人】・・・被相続人に子がある場合は、子と配偶者が相続人となります。遺産の2分の1を配偶者、残りの2分の1を子が相続します。

【第2順位の相続人】・・・被相続人に子がない場合は、被相続人の父母と配偶者が相続人となります。遺産の3分の2を配偶者が、残りの3分の1を父母が相続します。

【第3順位の相続人】・・・被相続人に子がなく、父母も死亡している場合には、被相続人の兄弟姉妹と配偶者が相続人となります。遺産の4分の3を配偶者が、残りの4分の1を兄弟姉妹が相続します。

【配偶者】 【その他の相続人】
配偶者・子 2分の1 2分の1
配偶者・直系尊属 3分の2 3分の1
配偶者・兄弟姉妹 4分の3 4分の1

配偶者は常に相続人となり、父母と兄弟姉妹は上の順位の相続人がいない場合に相続人になります。子が死亡している場合は孫が、父母が死亡している場合には祖父母が、兄弟姉妹が死亡している場合は兄弟姉妹の子が相続人となります。

では、相続財産について実際具体的にどのような種類や考え方があるでしょう。

相続される財産の範囲

被相続人の財産、権利、義務が相続の対象になります。現金、預貯金、不動産等のプラス財産、そして借金等のマイナス財産も相続の対象になります。

(1)死亡退職金

死亡退職金は相続財産には含まれません。相続放棄をした人でも受け取ることができます。死亡退職金は会社の就業規則などで定められたり、公務員の場合は法律や条令で定められています。

(2)生命保険や遺族年金

生命保険金は、受取人の指定方法により相続財産となる場合とならない場合があります。

【受取人を「相続人の誰か(例えば妻)」にしている場合】

保険金は、相続財産とはならず相続人(この場合は妻)が全額受け取ります。

【受取人を「相続人」として指定し、個人名を指定していない場合】

上記同様、相続財産ではありませんが、相続人全員が保険金を受け取ることになるので、相続人間で分けることになります。

【受取人を「被相続人本人」としている場合】

保険金は一旦本人に帰属するため相続財産となります。その後誰が受け取るかは分割協議により決定します。

遺族年金の加入者が亡くなった時、遺族に支給される遺族給付は相続財産ではありません。遺族給付は、法律によって受取人が死亡した者と同じ生計で暮らしていた配偶者や子や父母などとその資格が決められており、給付を受ける順位も定められているので、その受取人の固有の権利であって相続財産ではありません。

(3)葬儀費用や香典

葬儀費用の負担者や香典の帰属については法律の定めはありません。いずれも相続財産にはあたらないため、相続人間での話し合いで決定します。話し合いで解決できない場合は、慣習や条理によって判断せざるを得ず、一般的には喪主に負担・帰属されています。

(4)お墓や仏壇などの祭祀財産

祭祀財産は相続財産にあたらず、祖先の祭祀を主宰すべき人が単独で承継します。祭祀承継者は、第一に被相続人の指定で、第二に慣習で第三に家庭裁判所で定めます。

(5)ケースバイケースによる相続財産

借家権や生命侵害による損害賠償権、社員権、ゴルフクラブの会員権についてはケースバイケースになります。ゴルフ会員権については、理事会の承認があれば相続人に承継するということもあるそうです。